高気圧酸素療法室
2019年4月より、高気圧酸素治療装置を導入し、高気圧酸素治療を開始しました。
機種
セクリスト 高気圧酸素治療装置
Model 3300HJ
高気圧酸素治療とは
密閉した装置の中を高濃度酸素状態として、大気圧よりも高い気圧(2~2.5気圧)環境にして高濃度酸素を投与することで、組織の低酸素状態の改善を図るという治療法です。血液中の溶解酸素の著しい増加とともに、酸素による抗菌作用と加圧作用によって様々な疾患に対し効果が期待できます。
主な効果
- 体内酸素量の増加により、生体内の循環障害・低酸素状態の改善効果
- 酸素の抗菌作用を利用し、細菌の発育を阻害する抗菌効果
- 体内にできた気体を圧縮・再溶解することによる末梢循環の改善効果
- 組織の腫れを軽減させる効果
適応疾患
- 突発性難聴
- 網脈動脈閉塞症
- 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
- 腸閉塞
- 脳梗塞後 など
治療方法
カプセル内に入っていただき、その中を酸素で充満させた状態で加圧します。
その後、約90分(~120分)間を安定した高気圧環境下で安静にしていただき治療は終了です。
治療は通常1日回で連日(土・日・祝日を除く)が基本となり、治療回数や施行時間は適応疾患や患者さんの症状によって担当医が判断します。
※治療中は加圧、減圧による耳の痛みが生じる場合があります。
これは「耳抜き」という対処法で解消することができます。
注意事項
治療には高濃度の酸素を使用しているため、引火しやすい環境になっています。事故防止のため以下の物は持ち込み禁止です。
- 静電気の起きやすい衣類(綿100%素材以外のもの)。
- マッチ、ライター、たばこなど火の気のもの。
- 白金カイロ、使い捨てカイロなど熱を発するもの。
- 補聴器、携帯ラジオ、音楽プレーヤー、携帯電話、万歩計などの電気製品。
- 腕時計、ボールペン、万年筆、体温計、などの密閉されたもの。
- 雑誌、本などの可燃物。
- 整髪料、マニキュアなどの化粧品や油脂製品などを使用している場合は、治療を行う前に落としていただきます。
安全性について
当院には高気圧酸素治療専門医が常勤しています。
臨床工学技士(臨床高気圧酸素治療技師)によって日本高気圧環境・潜水医学会及び高気圧酸素治療安全協会の「安全基準」に従って治療を行います。
治療中は常時、臨床工学技士が患者さんの様子を注意深く見ていますので安心して治療を受けてください。
部門実績
2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | |
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高気圧酸素療法(件) | 198 | 329 | 320 |