耳鼻咽喉科からのお知らせ
- 2024年08月06日 【耳鼻咽喉科】新生児聴覚スクリーニング検査のご案内
- 2024年04月05日 【新任】耳鼻咽喉科 濱田充医師が着任しました(4/1)
- 2024年04月04日 【退職】耳鼻咽喉科 宮森萌子医師 退職のお知らせ(3/31)
外来日程表
木曜午前は週によって休診の場合がございますので事前にご確認ください。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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午前 | 及川 高橋 |
高橋 濵田 (及川) |
及川 濱田 |
北大出張医 | 高橋 濵田 (及川) |
午後 | - | 及川 高橋 濵田 |
- | - | 及川 高橋 濵田 |
科の特徴
- 当科は1933年(昭和8年)に開設され、85年以上の長きにわたり、札幌地域に根ざした基幹病院の耳鼻咽喉科・頭頸部外科として、すべての年代の皆様へ耳鼻咽喉科の医療サービスを提供してきました。さらに新生児を含む小児耳鼻咽喉科・頭頸部外科の北海道を代表する専門病院として全道中のお子さんたちの治療も担っています。
- 「みみ」「はな」「のど」の病気はもちろんのこと、耳下腺や甲状腺、リンパ節などの首の様々な病気に対して、外来及び入院診療と手術治療を行っています。悪性腫瘍は必要に応じて北海道大学病院と連携して治療を行っています。
- 「天使こどもメディカルセンター」を形成する診療科として小児診療に力を入れています。
- 3名の耳鼻咽喉科常勤医と経験豊富な看護スタッフが適切かつ親身な診療を行うことを常に心がけています。
充実した設備と新しい治療
- 高性能な耳科手術用顕微鏡や鼻科手術用内視鏡が揃っており、手術治療が必要な場合、的確かつ安全な手術治療を提供しております。
- 「高気圧酸素治療装置」を完備しており、ステロイド治療と併せて突発性難聴に対する発症早期の治療として高い効果を発揮しています。
- 最新鋭のフルHDシステムの耳科手術用の細径内視鏡を完備しており、慢性穿孔性中耳炎や真珠腫性中耳炎などに対し、より低侵襲で新しい内視鏡下経外耳道的耳科手術(鼓膜形成術、鼓室形成術)を導入しています。
- 慢性副鼻腔炎、鼻ポリープ、鼻副鼻腔良性腫瘍などの鼻副鼻腔疾患に対し、ナビゲーションシステムを活用し、低侵襲で的確かつ安全な内視鏡的鼻副鼻腔手術を行っています。鼻の術後は1週間程度で自然消退する最新のパッキング材を用いることで、痛みの軽減、術後処置の負担軽減を図っています。
- 甲状腺悪性腫瘍や耳下腺腫瘍の手術に際しては、NIMレスポンスモニターという最新の術中神経モニタリング装置を導入しています。これにより、声帯を動かす反回神経、顔面の動きを司る顔面神経をより的確に保護したうえで腫瘍を摘出することができます。
- 最新の鼓膜再生治療を鼓膜穿孔に対して導入しています。これは外来での日帰り手術となります。
診療内容
「みみ」「はな」「のど」、さらに「頭頸部領域」の病気を中心に治療を担当します。
主な耳の病気の治療
外耳、中耳、内耳、さらには、その奥の神経(聴神経、前庭神経、顔面神経)まで、診断と治療を行っています。各種聴力検査などに加え、必要な場合は迅速にCTスキャンやMRIを行って、正確な診療・治療に役立てています。
突発性難聴
ある日突然、片側または両側の聞こえが悪くなる病気です。めまいを伴うことも多いです。いまだ真の原因は不明な病気ですが、治療方法は確立されたものがあり、基本的に入院の上、ステロイド投与、高気圧酸素治療を行って改善を図ります。
小児の滲出性中耳炎、反復性中耳炎
小児期は繰り返し風邪をひく時期ではありますが、これに伴い急性中耳炎や滲出性中耳炎になることが多く、耳痛や耳漏、難聴の原因となります。そこで、長引く滲出性中耳炎や難治性反復性中耳炎に対しては短期入院で鼓膜チューブ留置術を積極的に行うことで、改善を図っています。
慢性中耳炎
耳漏などを伴わない鼓膜に小さな穴が開いているだけの穿孔性中耳炎、鼓膜穿孔に対しては、日帰り手術で鼓膜の再生を促す薬剤を用いた鼓膜穿孔閉鎖治療を行っています。真珠腫性中耳炎や耳漏が続く難治性の慢性中耳炎では、入院の上、最新の耳科用内視鏡を用いた低侵襲な経外耳道的な中耳手術(鼓膜形成術、鼓室形成術)を行います。
末梢性顔面神経麻痺
ある日突然、片側の顔が動かなくなる病気です。MRIにて脳の病気(中枢性)ではないことを確認します。単純ヘルペスウイルスI型や水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化(体の中に長年潜んでいて、何かのきっかけで病気を起こす)が原因であることが多いので、入院のうえ、抗ウイルス薬とステロイド薬の投与を中心に治療を行います。また電気生理学的検査による改善予後の判定も行います。
前庭神経炎
ある日突然、激しい回転性めまいに襲われる病気です。MRIにて脳の病気(中枢性)ではないことを確認します。聴力が正常であることも確認します。入院のうえ、めまいが軽減する点滴、内服治療を行います。基本的には何も後遺症を残さず完治します。「急性末梢前庭障害」として入院加療した場合の原因の多くを占めます。
メニエール病
めまい、難聴、耳鳴を三主徴とする病気で、この3つの症状が悪化したり、収まったりします。別名は「特発性内リンパ水腫」とも言います。基本的には通院のうえ、専用の薬での治療を行いますが、めまいが強い場合、難聴が急速に悪化した場合は入院して治療をします。また、めまいがどうにも難治な場合には最新の「中耳加圧治療」を施行していただいています。当科外来で導入して継続して自宅で行います。
主な鼻の病気の治療
鼻づまり、鼻水過多、においの低下、ほほの痛みや前頭部痛など鼻の病気に伴う様々な症状を改善させるべく治療を行います。必要に応じてCTスキャンやMRIを行って、正確な診療、治療に役立てています。
アレルギー性鼻炎
ハウスダストやダニが原因の通年性のアレルギー性とシラカンバやカモガヤ、ヨモギなどの花粉が原因となる季節性のアレルギー性鼻炎があります。基本的には通院で抗アレルギー剤を中心に投薬治療を行います。必要に応じてMAST-36という36種類のアレルゲン(アレルギーの原因物質)を調べる検査も行います。
鼻中隔弯曲症、肥厚性鼻炎
鼻腔の中の正中に存在し、鼻腔を左右に分ける鼻中隔という構造物が極端に左右いずれかに曲がっていて、これが難治性の鼻閉の原因になることがあります。その場合は、「内視鏡下・鼻中隔矯正術」を行い鼻づまりの改善を図ります。また下鼻甲介という鼻腔内のひだが腫れて、難治性の鼻づまりの原因になっている場合も多く(肥厚性鼻炎)、これに対しては「内視鏡下・下鼻甲介骨粘膜下切除術」を同時に行い、鼻腔容積を大きくして、鼻づまりの改善を図ります。術後は1週間程度で自然消退する最新のパッキング材を当科は採用しており、特に抜去の必要がありません。そのため以前の同じ手術に比べて、痛みが少なく、術後の鼻の処置も楽です。
慢性副鼻腔炎、鼻ポリープ、鼻副鼻腔腫瘍
CTスキャンやMRIで鼻腔と交通する副鼻腔に病気が指摘された場合や鼻腔内にポリープまたは腫瘍がある場合、投薬加療で改善しない場合は、内視鏡下に鼻の中から鼻副鼻腔手術を行います。鼻副鼻腔手術の際には最新の磁場式ナビゲーションシステムを使用することで、手術の正確性、安全性をより強固なものにしています。術後は1週間程度で自然消退する最新のパッキング材を数年前から当科は採用しており、これは特に抜去の必要がなく、以前の同じ手術に比べて、術後の痛みが少ないのが特徴です。また術後は鼻洗浄を指導させていただきます。これにより術後の鼻内の処置が少なくなっています。
主なのどの病気の治療
のどの痛み、飲み込みにくさ、声のかすれ、さらにはいびきや睡眠時無呼吸、口の乾き、口内の痛み、味覚低下、呼吸困難などを引き起こすのどから口の病気を治療します。
急性扁桃炎、咽頭炎
細菌感染による場合、外来で抗菌薬、消炎剤の投与を行いますが、重症の場合は入院治療で改善を図ります。扁桃腺の周囲に膿が溜まる「扁桃周囲膿瘍」に進展した場合は、入院のうえ切開排膿術と抗菌薬の点滴を行います。主に3歳以下の小児ではのどの奥に膿が溜まる「咽後膿瘍」という病気もあり、これも早急に切開排膿術と抗菌薬の点滴を行います。
急性喉頭炎、急性喉頭蓋炎
炎症が声帯のある喉頭に波及した場合、呼吸困難、嚥下困難が生じることがあります。重症の場合は、迅速に入院のうえ、強力な抗菌薬と消炎剤の点滴投与、吸入治療を行います。
慢性扁桃炎、扁桃病巣感染症、扁桃肥大
年に3〜4回以上の急性扁桃炎を反復する場合は慢性扁桃炎として口蓋扁桃摘出術が適応となります。掌蹠膿疱症やIgA腎症など、扁桃腺が原因で離れた場所に病気を引き起こす扁桃病巣感染症も口蓋扁桃摘出術が適応となります。PFAPA症候群という毎月のように高熱が生じる小児の病気にも口蓋扁桃摘出術が効果的と言われています。さらに強いいびき、睡眠時無呼吸症候群の原因となるような扁桃肥大がある場合でも口蓋扁桃摘出術が著効します。
アデノイド増殖症
小学生以下の幼少期にいびきや睡眠時無呼吸が生じることがしばしばあり、口呼吸や陥没呼吸、集中力の低下、学業低下などにもつながります。鼻の奥の上咽頭という場所にある扁桃組織が病的に大きくなった状態をアデノイド増殖症と言います。1歳6ヶ月以降でこの病気が指摘された場合は、手術的に切除することが必要になります。
声帯ポリープ、声帯腫瘍
声のかすれの原因となります。喉頭直達鏡という機器を用いて口の中から顕微鏡下に手術を行います。
口内乾燥症
加齢変化や薬剤の影響で生じる場合もありますが、シェーグレン症候群という自己免疫疾患の症状である場合もあります。その場合は精査の上、投薬加療を行います。
味覚低下
薬剤の影響である場合も多い一方で、亜鉛不足の場合もあり、検査のうえ、投薬加療を行います。
ガマ腫
口腔底に唾液の溜まった袋ができる病気があります。唾液を抜いただけでは何度も再発するため、原因となる舌下腺(唾液腺にひとつ)の摘出術を行います。
主な頭頸部領域の病気の治療
頭頸部領域は鎖骨から上、頸椎を除いた前頸部と脳と目と歯を除いた部分になります。迅速にCTスキャンやMRI、エコー検査などの画像検査を行いつつ、的確に病気の状態を評価します。
唾液腺腫瘍(耳下腺腫瘍、顎下腺腫瘍)
耳の下には耳下腺、顎の下には顎下腺という唾液腺があり、しばしば腫瘍が生じます。耳下腺の中に顔面を動かすための顔面神経が走行しており、特に耳下腺腫瘍の手術においてはNIMレスポンスモニターという最新の術中神経モニタリング装置を使用して、顔面神経を保護・温存し全身麻酔下に摘出手術を行います。
頸部嚢胞性疾患(側頸嚢胞や甲状舌管嚢胞など)
先天性に生じる袋状のできものが首の正中や側方に生じる場合があります。全身麻酔下に周囲の神経を保護しつつ、摘出します。
甲状腺腫瘍
甲状腺ホルモンを産生する甲状腺にはしばしば腫瘍が生じます。良性の腫瘍が多いものの、悪性腫瘍がみつかることもあります。反回神経という声帯を動かす神経は甲状腺近傍を走行しており、これを保護・温存しつつ全身麻酔下に腫瘍を切除します。さらに悪性が示唆された場合は最新の術中神経モニタリング装置(NIMレスポンスモニター)を使用しつつ反回神経を保護・温存します。
深頸部膿瘍
咽頭炎から炎症が頸部リンパ節に波及し、化膿性リンパ節炎となり、さらに炎症が進行して首の深い部位に膿が溜まる病気があります。特に学童未満の小児では重症化しやすく生命の危険を伴います。その場合は早急に全身麻酔下に切開排膿術を施行し、入院のうえ強力な抗菌薬の投与を行います。小児期に繰り返す深頸部膿瘍では、下咽頭梨状窩瘻という先天的な小さな穴が下咽頭(のどの最新部、声帯と食道の入り口のそば)に存在する場合があり、この病気に対しては口の中から薬剤を用いた低侵襲な瘻孔閉鎖術を行っています。
頸部リンパ節腫脹
炎症で生じる場合が多い一方で、悪性リンパ腫や悪性腫瘍の転移の可能性もしばしばあります。消炎治療を施行しても改善しない場合は、リンパ節を摘出し、病理組織検査で診断を確定させます。
医師の紹介
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及川 敬太(おいかわ けいた)主任科長
経歴 1995年 3月 札幌医科大学医学部 卒業 1995年 4月 北海道大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科 1996年 8月 市立釧路総合病院 耳鼻咽喉科 1997年 7月 市立旭川病院 耳鼻咽喉科 1998年 7月 北海道大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科 1999年 1月 倶知安厚生病院 耳鼻咽喉科 1999年 7月 市立札幌病院 耳鼻咽喉科 2000年 7月 浦河赤十字病院 耳鼻咽喉科 部長 2002年 4月 北海道大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科 2003年 1月 深川市立病院 耳鼻咽喉科 科長 2003年 4月 天使病院 耳鼻咽喉科 2004年 1月 天使病院 耳鼻咽喉科 科長 2007年 9月 北海道大学より医学博士の学位を授与 2015年 10月 天使病院 耳鼻咽喉科 主任科長 専門医
認定医日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会 耳鼻咽喉科専門医
日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会 耳鼻咽喉科専門研修指導医
日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会 補聴器相談医
医学博士特技・趣味 少林寺拳法 3段 フリーコメント 【所属学会】
日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会 日本耳科学会 日本頭頚部外科学会
耳鼻咽喉科臨床会 日本気管食道科学会 日本小児耳鼻咽喉科学会
日本聴覚医学会 -
髙橋 紘樹(たかはし ひろき)科長
経歴 2011年 3月 札幌医科大学医学部 卒業 2011年 4月 天使病院 初期臨床研修 2013年 4月 北海道大学病院 2014年 3月 手稲渓仁会病院 2015年 4月 北海道がんセンター 2016年 4月 函館中央病院 2019年 4月 市立札幌病院 2020年 4月 斗南病院 2021年 4月 手稲渓仁会病院 2023年 4月 天使病院 耳鼻咽喉科 2023年 7月 天使病院 耳鼻咽喉科 科長 専門医
認定医耳鼻咽喉科 専門・得意分野 日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会 耳鼻咽喉科専門医 趣味・特技 テニス -
濵田 充(はまだ みつる)医師
経歴 2020年 3月 福井大学医学部 卒業 2020年 4月 KKR札幌医療センター 初期臨床研修 2022年 4月 北海道大学病院 耳鼻咽喉科・頭頚部外科 2022年 10月 砂川市立病院 耳鼻咽喉科 2023年 4月 北海道がんセンター 頭頚部外科 2024年 4月 天使病院 耳鼻咽喉科 専門・得意分野 耳鼻咽喉科 趣味・特技 料理
診療実績
項目 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | ||
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外来患者数(件) | 16,299 | 12,725 | 12,179 | ||
小児全身麻酔下手術数(件) | 265 | 121 | 139 |
手術件数 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | ||
---|---|---|---|---|---|
小児鼓膜チューブ留置術(耳)(件) | 239 | 71 | 106 | ||
先天性耳瘻管摘出術(耳)(件) | 8 | 11 | 8 | ||
鼓室形成・鼓膜形成術(耳)(件) | 12 | 11 | 8 | ||
内視鏡下鼻副鼻腔手術(側)(件) | 27 | 33 | 34 | ||
鼻甲介切除術(側)(件) | 6 | 13 | 17 | ||
鼻中隔矯正術(件) | 8 | 12 | 14 | ||
両口蓋扁桃摘出術(件) | 63 | 55 | 55 | ||
アデノイド切除術(件) | 66 | 41 | 50 | ||
顕微鏡下喉頭微細手術(件) | 15 | 12 | 9 | ||
気管切開・気管孔形成・気管孔閉鎖術(件) | 0 | 2 | 10 | ||
喉頭気管分離・分流手術(件) | 6 | 5 | 1 | ||
耳下腺・顎下腺腫瘍摘出術(件) | 4 | 11 | 9 | ||
甲状腺腫瘍・副甲状腺腫瘍摘出術(件) | 5 | 3 | 6 | ||
小児全麻下扁桃周囲膿瘍切開排膿術(件) | 2 | 1 | 0 | ||
頸部リンパ節摘出術(件) | 4 | 4 | 6 |
その他
鼻骨骨折整復術、舌悪性腫瘍切除術、深頸部膿瘍切開排膿術、咽後膿瘍切開排膿術、口唇嚢胞切除術、鼻前庭腫瘍切除術、唾石摘出術、舌根嚢胞開放術、軟口蓋形成術、外耳道腫瘍摘出術、食道異物摘出術、舌小帯形成術 など