「緑内障」について
2007年01月01日
緑内障とは?
緑内障とは視神経が障害され部分的に見えなくなったり視野が狭くなったりする病気です。40歳以上の日本人のうち17人に1人は緑内障といわれています。しかし、実際には緑内障の患者さんの約8割は治療を受けていないというデーターもあります。視神経は一度障害を受け視野欠損を生じると回復することはありません。早期発見、早期治療の必要な病気ですが、自覚症状は初期の段階ではほとんどありません。
眼圧が高いほど、視神経は圧迫され障害される |
症状は?
視神経が障害され視野障害がおこりますが、たいていは中心部から離れた部位で始まり、見えない部分はごく小さい範囲なので、初期の段階では自覚的には気づきません。また視力は中心部に視野障害が進行するまで良好で緑内障末期まで保たれることが多いため、視力を測っていても緑内障は発見できません。早期には緑内障に特異的な自覚症状がなく、早期発見には自覚症状だけでは頼りにならないため40歳を過ぎたら定期的に眼科専門医のところで精密検査を受けることが大切です。
視神経を障害する原因
その一つに眼圧があります。眼圧は眼球の張りと形を保つ圧力のことをいいます。たとえば、急激に眼圧があがると視神経への圧力が一気にかかり、またじわじわと上昇している期間が長期間続くと徐々に障害されていきます。眼圧の正常範囲は統計的に10〜21mmHgとされていますが、これは一つの目安で、視神経がどれくらい眼圧に耐えられるかは個人差があります。同じ眼圧でも視神経が障害される場合とそうでない場合があります。
治療
緑内障の治療でもっとも大事なことは眼圧を下げ、視神経がこれ以上障害されないように、視野障害の進行が少しでもおさえられるようにすることです。
治療としては、まず眼圧を下げるための点眼薬を中心とする薬物治療がおこなわれます。現在点眼薬は作用の違うタイプが数種類有り、まず点眼薬を1種類からはじめ眼圧が下がるか、また視野の進行はどうかなどの効果をみながら、2〜3種類を組み合わせていくことがあります。それでも眼圧が十分下がらない場合や、視野障害が進行する場合はレーザー治療や手術がおこなわれます。
重要な定期検査
緑内障は途中まで自覚症状がほとんどないため、治療の必要性が理解できず放置してしまうことがありますが、いったん障害された視神経を回復させることはできず、失われた視野を取り戻すことはできません。しかし、適切な治療を続けることでその進行をできる限り抑えることが可能です。そのためには定期的な眼科通院を欠かさず、医師の指示通りに点眼薬を使用することが大切です。
せっかくの点眼治療も処方されたとおりに使用しなければ効果が得られません。必要以上に不安にならず病気をしっかり理解し、医師とともに治療に取り組むことが大切だと思います。