「白内障」について
2006年11月01日
白内障とは?
眼球の中の水晶体という部分が濁ってしまう病気を白内障といいます。白内障の多くは老化現象によって起こるので、個人差はありますが誰でも年齢がすすむにつれ必ず生じてきます。他には糖尿病など全身疾患と関連して生じてくるタイプもあります。
自覚症状
物がぼやけて見える、かすむ、まぶしい、二重、三重に見えるなど症状が現れます。水晶体のどの部分が強く濁るかによって、視力障害の程度や症状も様々です。
水晶体が濁ってしまっているため眼鏡を調整しても視力がでなくなります。
治 療
日常生活に支障がない程度であれば進行のスピードを遅らせる点眼を使用して様子を見ますが、これで視力を回復させることは出来ません。現在のところ濁った水晶体を元の透明な状態に戻すことのできる薬はありません。そのため視力が低下し不自由になった場合、視力回復の治療としては手術が必要になります。
手術は、
濁った水晶体を取り除いて 眼内レンズを挿入します。 |
眼内レンズのモデルのひとつ |
濁った水晶体を取り除きかわりに、眼内レンズという人工のレンズを挿入します。
麻酔は特別な事情がなければ局所麻酔で、手術も安全におこなわれるようになっています。
施設によっては日帰り手術も行われています。ただしそれは簡単で安易な手術ということではありません。安全に行われるようになった技術の進歩のあらわれですが、あくまでも手術を受けるということを真摯に受け止め眼科専門医の説明を受け十分に相談され手術を考えてほしいと思います。
手術手技自体は日帰り手術でも入院手術でも変わりありませんので個々の事情に合わせて選択すると良いと思います。当院では入院での手術を行っております。
手術時期
一概に白内障があるといっても手術が必要になる方からそうでない方まで程度は様々です。 どの程度になったら手術を受けるかという時期についてですが、視力がいくつになったら、などというはっきりとした基準はありません。 それぞれの生活において必要な視力、たとえば運転免許を更新したい、仕事に支障がある、新聞が読めなくなってきたなど、その人その人の生活スタイルにおいて不自由を感じて、ご本人も手術を受けて治したいといった希望がでてきた時が手術の時期だと思います。